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リンデン社・2016年新バーチャルワールド構築プロジェクト

2014年06月24日

リンデン社・2016年新バーチャルワールド構築プロジェクト
(SL11B会場)

ここ最近、仮想現実世界の開発について色々な方面から話が出ていましたが、ついにリンデンラボも公式に彼らが新しい仮想現実世界構築プロジェクトに着手していることを宣言しました。セカンドライフのサードパーティービュワー開発会議の席上やTwitterでCEOエッベ・アルトバーグ氏が、この新しいプロジェクトについての発言をし、2015年にベータテスト、2016年の公開を目指しているとのことです。

しかし、アルトバーグ氏が、この新プロジェクトについて語った直後から、セカンドライフ住民の間から様々な意見が噴出しました。
「セカンドライフを見捨てるのか」、「インベントリは新世界に持って行くことが出来るのか、セカンドライフで作った物はどうなのだ」、「リンデンドルはどうなるのだ」、「現在セカンドライフが抱えている問題は、放置されてしまうのか」等々。「新しい仮想現実世界の到来万歳」という声よりは、やはり様々な問題を懸念する声が今のところは圧倒的です。

新しい仮想現実世界構築プロジェクトについての、アルトバーグ氏の発言などの概要は以下の通りです。


-新しい仮想現実社会がどのような形で動くのか、どのようなマーケットの位置づけになるのかは、現段階では決まっていないとのこと。
-セカンドライフはいまだに利益があがっているプロジェクトであることもふまえて、セカンドライフに代わるものではなく、並行してゆく形になること。ただしそのふたつがどのような形で、どれぐらいの長さで並存してゆくかは不明。
-新プロジェクトの着手は、リンデン社がセカンドライフを放置してしまう、ということではないこと。セカンドライフをより良いものにしてゆく開発は続ける。
-新プロジェクトは現在、フィリップ・ローズデール氏が手掛けている「ハイ・フェデルティ」とは全く別物である。
-新しい仮想現実世界は、セカンドライフとどの程度互換性を持つのか持たないのかについては、明言できないこと。セカンドライフの既存コンテンツを考慮しすぎて、新しい仮想現実社会の技術に支障をきたすのであれば、それは避けなければならないと考えている。
-新しい仮想現実世界は、しばらくはクローズド・ソースとして開発されてゆく。
-プロジェクトはリンデン社のオズ・リンデンを中心に動き、セカンドライフの維持に関わっている社内の人員をそちらに振る、ということではなく、外部の人間を新たに40人から50人雇用しつつ、ということになる。2014年後半、2015年には何らかの形が提示される予定ではある。
-(追記情報)新世界もユーザーがコンテンツを作り出し販売、共有してゆくことが中心となる世界になるとのこと。
-(追記情報)「セカンドライフで使っている自分のアイデンティティをそのまま新しい世界に持っていきたい(ユーザーネーム等)」という住民からの意見に対しては、「そのようにしたい」とのこと。


というようなことです。

また、この新しい仮想現実世界を何と呼ぶのかについては、今のところ言及がないようです。「セカンドライフ2」と便宜上呼ぶ人もいますが、「より良い世界を目指した別物」というとらえ方が適当であるため、「SL2」と呼ぶよりは、大雑把ではあるものの「新しい仮想現実社会」と今のところ呼ばれているようです。


また、セカンドライフ住民の間から沸き上がった前述のような不安に対して、リンデンラボ社でグローバルコミュニケーションを担当している、ピーター・リンデン氏は次のように述べています。

「このプロジェクトを開始した、ということは、我々がセカンドライフを見捨ててしまう、ということでしょうか?そんなことは絶対にありません(中略)。セカンドライフにはまだまだこれから続く将来があり、セカンドライフをより良くしてゆく改善も続けてゆきます。新しい仮想現実世界構築プロジェクトがもたらすものは、セカンドライフにとっても大いなる利益をもたらすことになるでしょう」

Does this mean we’re giving up on Second Life? Absolutely not. It is thanks to the Second Life community that our virtual world today is without question the best there is, and after 11 years we certainly have no intention of abandoning our users nor the virtual world they continually fill with their astounding creativity. Second Life has many years ahead of it, and in addition to improvements and new developments specifically for Second Life, we think that much of the work we do for the next generation project will also be beneficial for Second Life.

「現時点でセカンドライフ住民のみなさんにメッセージがあるとしたら、パニックをおこさないでください、むしろ喜んでください。もう一度言います。セカンドライフはどこにも行きません。セカンドライフをより良い物にしてゆくことも怠りません。我々はセカンドライフユーザー以外の人々も本当に納得するような、仮想現実世界の明るい未来を作り出すことに着手した、ということなのです」

If we had one message to share with Second Life users about this new project at this point, it would be: don’t panic, get excited! Again, Second Life isn’t going away, nor are we ceasing our work to improve it. But, we’re also working on something that we think will truly fulfill the promise of virtual worlds that few people understand as well as Second Life users.


セカンドライフのテクノロジーも10年が過ぎると古いものとなり、リンデン社が新しい世界の構築に着手することは遅かれ早かれと言われてきました。現在のところの発表も大方、セカンドライフ住民の動揺を落ち着かせようとする配慮が見られます。しかし実際に今後それがどのようになっていくのか、新しい世界とセカンドライフがどのように共存してゆくことになるのかは、まだこれから見えてくる課題のようです。


A new version of Second Life is being built from the ground up, with a little help from the Oculus Rift

Ebbe confirms: “we’re working on a ‘next generation’ platform” (with audio)

Posted by KENGO at 13:19 │テクノロジー

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